農業経営とは、ある目的をもって農畜産物の生産・飼養・販売などの事業を継続的に行うことです。こうした農業経営の状態を把握するのが、農業経営診断です。この記事では、家族経営における農業経営分析と診断について解説します。
分析の手順
家族経営の場合、農業所得が経営目標になります。そのため農業所得が多いか少ないかが収益性の良し悪しとみなされます。農業所得は、次の色で求めることができます。
- 農業所得=農業粗収益−農業経営費
したがって経営診断は、農業所得が例年あるいは地域平均等と比べて多いか少ないかを調べ、その要因になる農業粗収益と農業経営について点検することから始まります。
農業粗収益と農業経営費の求め方はそれぞれ次の通りです。
- 農業粗収益 = 生産量 ×販売単価
- 生産量 = 経営規模 × 単位規模あたりの生産量
- 農業経営費 = 部材費 + 雇用労働費 + 支払地代 + 支払利子
- 物財費 = 経営規模 × 単位規模あたり物財投入量 × 物財単価
経営診断の際には、このように、農業所得を決定している要因を、細かく分解しチェックしていくことになります。
収益性分析
収益性は、農業所得率や家族労働奉仕の指標で判断します。農業所得率は、高い方が良評価です。農業所得は生活費を充分まかなっていなければなりませんし、家族労働報酬は一般賃金水準に達している必要があります。
技術分析
農業所得を決定している要因のチェックは、最終的には、生産技術、販売購買手腕を点検することになります。こうしたチェックをきちんと行うためには、簿記や農作業日誌等の記録簿が不可欠です。「記録を丹念につけることが経営改善に直結した」という事例はしばしばみられます。
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