農業簿記におけるさまざまな流動資産

農業経営

今回は、農業簿記におけるさまざまな流動資産について紹介します。

未収入金

例えば作業くずなどのスクラップ代金や所有機械などの売却代金のように、通常の取引にもとづいて発生した未収入金を処理する勘定です。ただし、得意先とのあいだに継続反復的に発生する本来の営業取引は、売掛金勘定で処理します。

次の取引の仕訳をしましょう

3 / 10 山田農場は、所有する帳簿価額 80,000 円の農業機械を120,000円で売却した。代金は当月末に入金予定である。

3 / 31 売却した農業機械代金 120,000 円が普通預金に振り込まれた。

所得税青色申告決算書における取り扱い

機械の売却益は、譲渡所得になります。

当初より農業所得から除外する場合の仕訳

期末に決算処理をする場合の仕訳

取引発生時

決算時

前渡金

商品や原材料などの棚卸資産の購入代金を購入前に仕入先に支払った場合に、前渡金勘定で処理します。

次の取引の仕訳をしましょう

3/15 山田農場は農業資材を割安に仕入れるため、鈴木商店に対して資材購入前払い (手付金) として 500,000 円を普通預金から振り込み、支払った。

3/30 鈴木商店から発注した農業資材が納入された。総額 1,210,000 円の購入代金は、前払金を差し引いた買い掛けとした。

貸付金

取引先や従業員などに対して資金の貸し付けした場合に処理する勘定。貸し付けの約定によっては、利息を計上することもあります。

次の取引の仕訳をしましょう

3/1 山田農場は、家族の入院を理由に従業員 A からまとまった資金を借りたいとの要望を受けて現金で500,000円を貸付けた。

6/30 約束の期日になり従業員 A から現金で貸付金の返済を受けた。なお、利息は付けていない。

立替金

事業者が取引先、従業員等に対して一時的に金銭の建て替えをした場合に処理する勘定。立替金は一時的な金銭の融通なので、通常、利息は発生しません。

次の取引の仕訳をしましょう

3/15 山田農場は、野菜の種子 120,000 円の仕入代金を普通預金から振り込んだ。このうち 6,000円は従業員 A の分。なので、立替処理をした。

3/25 給料日になり、3/15 に立て替えた野菜種子代が、従業員 A から入金された。

仮払金

相手勘定科目が確定しない場合や、相手勘定は判明しているか、内払いまたは概算払いで金額が確定しない場合に、一時的に処理する勘定。後日に取引内容が分かったとき、または支払い総額が確定した場合には、適切な勘定科目に振り替えて精算します。

次の取引の仕訳をしましょう

3/15 山田農場の代表と従業員 B は、遠隔地営業のため 2 泊の出張をすることになりました。このため旅費の概算払金 60,000 円を現金で支払った。

3/18 山田農場の代表と従業員 B は17日に出張から帰り、出張中の諸経費を精算した (旅費交通費 36,240 円、交際費 28,010 円)。なお、不足分 4,250 円を追加支払いした。

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