農業簿記の勘定科目

農業経営

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今回は、農業簿記の勘定科目について説明します。

簿記には業種によって商業簿記、工業簿記などがありますね。それぞれの簿記は、勘定科目や体系に違いがあります。農業の場合はどうでしょうか。農業は生産活動と販売活動、両方含まれています。ですので農業簿記は、販売活動については商業簿記の取引勘定をベースにしていますし、生産活動については工業簿記の製造原価計算の考え方を取り入れています。

それでは、農業簿記の勘定科目についてみていきます。

勘定科目の区分

複式簿記では、取引を資産・負債・純資産の増減および収益・費用の発生に分類して、帳簿に記録・計算しますが、この記録・計算するための区分を勘定といいます。

勘定区分は大きく 5 つあります。

  • 資産勘定 (増減)
  • 負債勘定 (増減)
  • 純資産勘定 (増減)
  • 費用勘定 (発生)
  • 収益勘定 (発生)

これらのうち、

  • 資産勘定、負債勘定、純資産勘定は貸借対照表の勘定
  • 費用勘定、収益勘定は損益計算書の勘定

です。

貸借対照表の勘定科目

資産勘定

  • 当座資産・・・現金、普通預金、当座預金、定期預金、受取手形、売掛金、未収入金 など
  • 棚卸資産・・・農作物(玄米、麦、大豆など)、商品、製品、仕掛品(未収穫農産物、肥育牛、肥育豚 など)、原材料(肥料、農薬、諸材料 など)、貯蔵品 など

棚卸資産のうち、農作物は農業独特な科目で、所得税の計算上、売価計上されるものです。
また、商品や製品、仕掛品、原材料、貯蔵品などは、通常の棚卸資産の科目で原価計上されます。

  • その他の流動資産・・・前払金、前払費用、貸付金、立替金、仮払金、仮払消費税 など
  • 有形固定資産・・・建物、建築物、機械装置、車両運搬具、器具備品、生物、土地、バラ親株、育成勘定科目 など

生物とは例えば、繁殖牛、果樹などです。

また、育成仮勘定とは、育成樹、ほだ木、育成牛など、将来固定資産に計上されるものです。

なお、機械装置、器具備品については、農機具等とする場合もあります。

  • 無形固定資産・・・借地権、営業権、ソフトウェア など
  • 投資その他の資産・・・出資金、保険積立金、経営安定積立金、客土 など
  • 繰延資産・・・開業費 など

負債勘定

負債勘定の性質をもつ勘定科目は次の通りです。

  • 買掛金、未払金、支払、手形、借入金(上記、端木)、未払費用、費用、預り金、前受金、仮受消費税など

純資産勘定

純資産勘定の性質を持つ勘定科目は、次の通りです。

  • 資本金(所得税の青色申告、決算書では、元入金)

損益計算書の勘定科目

収益勘定科目

収益勘定の性質を持つ勘定科目は、次の通りです。

  • 営業収益・・・農産物、売上高(水稲、野菜、果実、花卉、牛乳、子牛、肉用牛、鶏卵、廃鶏、わら、堆肥などと、売り上げを種類別に区分します)、(乳牛などの) 生物売却収入等
  • 営業外収益・・・受取利息、作付助成収入、雑収入など
  • 特別利益・・・固定資産売却益など

固定資産のうち、畜産農業における繁殖用の牛や、豚、種付用の豚などの反復継続した売却は、生物売却収入(営業収益)として計上します。

費用勘定科目

費用勘定の性質を持つ勘定科目は、次の通りです

  • 製造原価・・・種苗費、素畜費、飼料費、農薬費、賃金手当、福利厚生費、動力光熱費、農具費、諸材料費、減価償却費、修繕費、土地改良費、共済掛金、租税公課、支払地裁、作業委託費 など
  • 販売費、および一般管理費・・・給料手当、販売手数料、荷造運賃、福利厚生費、作業衣料費、消耗品費、事務通信費、交通費、交際費、図書研修費、貸倒損失、貸倒引当金繰入額、雑費 など
  • 営業外費用・・・支払利息 など
  • 特別損失・・・固定資産除去損、災害損失 など

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